公正な学長選考を求める裁判を支える会
ニュースレター NO.3   
2008、3,24



○ 第二回 口頭弁論傍聴記

3月18日の10:30から高知地裁において、第二回口頭弁論が開催されました。双方から出された文書の確認が中心でしたが、2つの点で攻防がありました。

第一は、次期学長の任命に関わることです。2月28日に相良現学長名で「国立大学法人高知大学」からの上申が受理されたことはすでにお伝えした通りですが、任命がすでにおこなわれているのかどうかについて、原告側弁護人から質問がなされました。文部科学大臣によって任命がなされた場合には、ただちに文部科学大臣を相手取って、任命の撤回を求める訴えを起こす必要がありますので、これは極めて重要な問題です。

大学側は、「辞令は4月1日にでるので、それ以前には任命の通知等は行われない」という答えでした。更に、原告側弁護人が、事前に「内示」があるのが普通ではないかと問うと、「内示を事前に行うことはない」との答えでした。「つまり、まだ任命はされていないということですね」と畳み掛ける原告側弁護人に対して、大学側は「国立大学法人の申し出にしたがって文部科学大臣が任命すると定められており、当然任命されるはずである。もし、任命しないのであれば当然その旨連絡があるはずだが、それはない」と、「当然任命されるはず」という立場を繰り返しました。

さあ、はたしてそううまくいくでしょうか?

二点目は、投票用紙に関することです。投票用紙の枚数が業者に注文した枚数と合っているということが、大学側の「投票用紙のすり替えなどはなかった」という主張の根拠になっているわけですが、別の業者に同じ仕様で注文する、コピーして作るなどの方法を取れば偽造はそれほど難しくないというのは誰にでも理解できるところです。原告側弁護士はこの点をついて、すり替えがなかったというならば、投票用紙そのものを証拠として提出するように求めました。

大学側は、監事による監査が行われており、それで十分なはずで、大学の自治の観点からも、それ以上の証拠は出す必要はないとの回答でした。原告側弁護人は,大学内の監査は法廷での司法に基づく検証に代わりうるものではなく、あくまでも法廷の場に投票用紙を証拠として提出すべきと主張しました。裁判長が「裁判の過程で必要なら提出するということでいいですね」と締めくくりました。最後に,次回第三回の裁判日程を5月30日(金)11:00〜と決定してこの日の裁判は終わりました。


○3・13 裁判報告集会 報告

3月13日昼休み「裁判報告集会」が共通教育212教室で行われました。あいにくの雨と学内の「人口密度」が低い時期であったということもあって、必ずしも大入り満員というわけには行きませんでしたが、忙しい中数十人の教職員が集まりました。

まず、「公正な学長選考を求める会」代表から、第一回口頭弁論の模様が報告されました。内容については、すでにニュースレターNo2で報告した通りですが、当日は資料として原告意見陳述の全文が配布されました。

また、裁判報告と関連して、監事による3月12日付け「監査報告」の問題性についての指摘がありました。この「監査報告」についてはフォーラムにありますので、直接ご覧いただくのが一番わかりやすいと考えられますが、なにより重要なのは、この「監査報告」なるものがフォーラムに現れたのが、2月27日であり、その翌日には、前号でもお知らせした「上申」が行われており、全く内容の矛盾する文書がほぼ同時に作られていることです。ここにも、矛盾を矛盾と自覚しない現執行部の体質が現れているといえるでしょう。

続いて、「公正な大学運営を求める学生の会」から、選考会議外部委員に対する公開質問状への回答が紹介されました。この回答は昨年末に「秘書課」を通じて来ていたもので、小さな集まりやブログ等においてはすでに内容の報告がなされていますが、このような集会で報告されるのは初めてです。学生代表は、外部委員一人ひとりの回答を具体的に取り上げながら、教育機関である大学を、民間企業と同じ次元でしか語ることのできない外部委員の発想の貧しさや、事柄の本質の無理解を指摘し、「現在中心になっている4回生が卒業しても在学生に活動を引き継いでいきたい」と締めくくりました。

続いて、カンパの集計報告があり3月13日 現在で87名1団体から162万1800円のカンパが集まったことが報告されました。カンパしてくださった皆さんどうもありがとうございます。一応の目標額には達していますが、文部科学省の対応如何では、長期化も予想されます。今後も募金活動は継続しますので、よろしくお願いします。

最後に「公正な学長選考を求める会」代表から、来年度部局長になっても(「学長」から辞令が出ればの話ですが)、会の代表は継続すること、また当日よんどころない用事で欠席しているが「公正な学長選考を求める裁判を支える会」の代表も同じ決意であるとの報告があり、拍手で確認され、この日の会は終了しました。

○ 私たちは「虚偽報告」に基づく「学長任命」を許さない!
これまでに報告したように、41票差の数字のみを記載した相良現学長自身による「上申」が文部科学省によって受理された状態です。これに基づいて実際に任命が行われるかどうかは、予断を許しません。少なくとも、現時点では任命の前提となる文部科学大臣による閣議報告は行われていない模様です。「虚偽報告」に基づく学長任命が、もし行われたならば、それは高知大学にとってのみでなく、日本の大学にとって拭いがたい汚点となるでしょう。文部科学省、文部科学大臣に対して「虚偽申告」を認めないよう強く要求していきましょう。

5月31日〔金〕第3回口頭弁論 11:00〜