『高知新聞』2008年3月19日付

原告適格めぐり応酬 高知大学長選考訴訟


昨年の高知大学長選で相良祐輔・現学長を選んだ学長選考会議の決定無効を求め、対立候補だった高橋正征氏=高知大大学院黒潮圏海洋科学研究科長=が高知大を訴えた訴訟の第二回口頭弁論が18日、高知地裁であり、争点の一つである原告の適格性などをめぐって双方が主張し合った。

選考会議前の意向投票は当初、高橋氏が相良氏を41票上回ったが、「相良氏の20票が高橋氏の投票箱に混入していた」と数え直した結果、両氏の差は1票差になっていた。

原告側はこの経緯について「票のすり替えが疑われる」と指摘し、「候補者の高橋氏は公正な手続きで選考決定を受ける法的利益がある」「選考会議は投票のやり直しなどせず、投票数を確定しないまま2つの投票結果を基に選考しており、裁量権を逸脱している」とした。

これに対し、被告の同大側は「本件で原告になり得るのは、選考会議の決定に影響を及ぼす立場の者で、候補者の高橋氏は決定に全く関与できない」と、原告としての適格性を否定。「選考会議の委員は、2つの投票結果を参考に学長を選んでも判断に支障はないという共通認識だった。この判断に裁量権の逸脱はない」と反論した。