『毎日新聞』2008年3月13日付

東大:学内でカフェをプロデュース 「UTCafe」17日オープン


東京大学は17日、同大がプロデュースした「UTCafe」をオープンする。東京都文京区の本郷キャンパス「赤門」近くに完成する新校舎「情報学環・福武ホール」の一角にあり、軽食、コーヒー、酒類を出す。同大の研究者や研究成果を紹介する場にする狙いで、通常営業のほか、4月から1カ月に1度、同大の研究者と一般客とのトークイベントを開催する。

福武ホールは建築家で同大特別栄誉教授の安藤忠雄さんが設計。店舗は無印良品アドバイザーの原研哉さんがデザインし、東京・青山にある「ル カフェ ベルトレ」のオーナーシェフ、柳舘功さんが運営に当たる。同大大学院情報学環の吉見俊哉・学環長は「新しい知を生み出すには、食べながら、飲みながら談論する場が必要で、そのためにはおいしい食事とワイン、コーヒーが必要。カフェを『知が出合う場』にしたい」と話した。

本郷キャンパス内には既に、スターバックスやドトールなどカフェチェーン店があるが、情報学環の山内祐平准教授は「既存のチェーン店ではトークイベントの開催など大学との連携が難しく、独自にプロデュースした」と理由を説明。研究者の話を“拝聴”するのではなく、会話を楽しめるよう、トークイベントの定員は15人程度にするという。

「UTCafe」の座席数は店内24、オープンスペース24。ブレンドコーヒーや日替わりランチ、生ビールなどのほか、同大の研究成果を広めるため「東大サプリメント 体力式アミノ酸」を使ったジュース「ボーテ・ド・オランジュ」、沖縄戦で失われたといわれていた酵母を同大研究所が復活させた泡盛「御酒」(うさき)なども提供する。営業時間は午前11時〜午後9時半。

トークイベントは予約制。26日にオープンするウェブサイトから申し込む。4月は本郷和人・史料編纂所准教授、5月は鈴木康広・先端科学技術研究センター特認助教が登壇する予定。【岡礼子】