共同通信配信記事 2007年9月10日付

卒業認定の厳格化を提言
中教審大学分科会の小委員会


大学・短大への入学定員と志願者数が同数になる「大学全入時代」の到来で学生の能力低下が指摘される中、中教審大学分科会の小委員会は10日、卒業に必要な成績評価の客観的基準を設けたり、評価を厳格化したりすることで学生の質保証をすべきだとの提言を盛り込んだ報告書案をまとめた。

国際比較で学生の学習時間が極端に短いのに、約9割が中退せずに卒業するなど「入るのは難しいが出るのは易しい」とされている日本の大学だが、報告書案は「入試による質保証の機能は大きく低下した」と状況の変化を指摘。卒業認定を厳しくすることで徹底した“出口管理”の強化を求めた。

少子化と入学定員の拡大による「全入」到来で入学者の学力水準が低下する恐れについても「日本の大学制度成立以来初めて生じる状況」と重く受け止め、「今後教育の質を担保できなければ、国内外からの信用を失う危機にさらされる」と警告した。