山形大学における異常な学長選考(その3、明らかな違法性)

he-forum 各位         6/21/07

      山形大学理学部 品川敦紀

山形大学において、現職文部科学事務次官を学長に据えようとして、
まったく、異常な学長選考が進められようとしている事は、すでにご紹
介いたしました。

今回は、学長選考会議の手続きについて、精査した結果、国立大学法人
法違反、山形大学学長選考等規則違反をおかしている事実が発覚しまし
たので、ご紹介いたします。

<国立大学法人法違反について>

先の山形大学学長選考会議では、学内意向投票における候補者の得票数
の公開、非公開に関する採決に当って、議長がはじめの採決にも加わ
り、その結果、可否同数となったとして、議長決裁として非公開を決定
したこと、この際、採決の手続きについて規定がなかった事がひとつの
問題であったとご紹介しました。

しかしながら、国立大学法人法第12条(役員の任命)第6項には、
「6  この条に定めるもののほか、学長選考会議の議事の手続
その他学長選考会議に関し必要な事項は、議長が学長選考会議に諮って
定める。」とあり、採決の手続きについて、議長は、学長選考会議に
諮って定めておかなければならなかったのです。

この点で、定めを作らないまま採決を行った選考会議議長のやり方は、
国立大学法人法第12条第6項違反といえます。

<国立大学法人山形大学学長選考等規則違反について>

国立大学法人山形大学学長選考等規則第6条には、「(第一次選考)第
6条 学長選考会議は,法人法第12条第7項の規定に基づき,前条に
よる学長候補となるべき適任者の経歴書等により選考を行い,第一次の
学長候補適任者(以下「第一次学長候補適任者」という。)を定める。
2  前項の選考において,法人法第16条第1項に規定する欠
格条項に該当するときは,学長候補となるべき適任者から除くものとす
る。」と規定しています。

つまり、各学部から推薦されて来た候補が、国立大学法人法第16条第
1項に該当するものでないか資格審査をする事になっており、該当すれ
ば、候補適任者から除外しなければならない事になっています。

さて、国立大学法人法第16条第1項はどうなっているかというと、

「(役員の欠格条項)第十六条  政府又は地方公共団体の職員
(非常勤の者を除く。)は、役員となることができない。」とあります。

つまり、政府や地方公共団体の職員が欠格条項に該当します。

結城文部科学事務次官は、現職政府職員です。

この候補は、規則に従って、適格者から除外するのが学長選考会議の役
目なのです。それを怠っている事になります。

いくら学内規則とはいえ、規則に違反している事は明らかで、その点で
違法性があると言えます。

以上のように、学内の圧倒的な世論さえ無視して、違法、不当なやりか
たを強引に押しすすめて、何が何でも天下り官僚を学長に据えようと言
うやり方は、世論の大きな非難を浴びる事は間違い有りません。

わたしたちは、場合によっては,今回の学長選考の違法性について、司
法の判断を仰ぐ事も検討中です。