he-forum各位

     品川敦紀

山形大学学長選考の異常
結城文部科学事務次官の学長実現のためと疑われる恣意的変更の数々

先に、学内意向投票を学長選考会議議長が2票を行使して非公開決定を
したことなど 、わたしども山形大学における今回の学長選考の
異常さについて、ご紹介いたしましたが、学長選考の日程についても極
めて異常、異例な変更が行われています。

すなわち、山形大学学長の任期は8月いっぱいです。したがいまして、
前回の選考の際は、学長候補決定から就任まで3ヶ月の余裕を持って、
学内意向投票の公示が5月16日、投票は5月30日に行われました。
そして、学長選考会議による選考、決定は、5月31日に行われました。

ところが、今回は、学内意向投票は、7月10日に公示、7月25日投
票、選考会議での選考、決定は、7月26日となりました。学長就任ま
で1ヶ月しかない事になります。

なぜ、このような異常な日程を組んだのでしょうか?

昨年の年末頃までは、現学長も、次期学長の選考日程について、就任ま
で余裕を持てるよう早めにに実施する意向を示していたそうですが、年
末又は年明け早々になってその意向を翻したそうで、結局、今回の日程
が決められました。

学内では、候補となっている結城文部科学事務次官が、国会会期期間中
の6月末まで、学長選挙に関する活動ができないため、意向聴取の公
示、意向投票等の日程を、その日程にあわせたのだろう、ともっぱら噂
されています。

学内意向投票を非公開とし、事実上、学内の信任がほとんどなくても
(たとえば1割以下でも)とにかく3位以内にさえなれば、選考会議
で、みずからの説明責任を免れつつ、自由に決定できる体制を作り、し
かも日程も結城氏の都合に合わせて都合良く変更するなどという、とん
でもないやり方が進みつつ有ります。

また、今朝、私が、学内意向投票数についての選管報告書の投票日翌日
の7月26日における開示請求を行ったところ、「現在保有していない
文書の開示請求はできない。7月26日以後に請求し直してほしい。」
として、これを門前払いにして密室選考を強行しようとしています。

結城氏は、こうした国立大学法人法参議院文部科学委員会付帯決議第2
項、第3項に反するやり方で学長選考を進めている事実についてご存知
なのであろうか?

もし、承知の上で学長を目指しているというのなら、極めて問題である
し、その見識が問われると考えます。

*****************参考資料***************
国立大学法人法参議委員付帯決議

二、国立大学法人の運営に当たっては、学長、役員会、経営協議会、教
育研究評議会等がそれぞれの役割・機能を十分に果たすとともに、全学
的な検討事項については、各組織での議論を踏まえた合意形成に努める
こと。また、教授会の役割の重要性に十分配慮すること。

三、役員等については、大学の教育研究や運営に高い識見を有し、当該
大学の発展に貢献し得る者を選任するとともに、選任理由等を公表する
こと。また、政府や他法人からの役員の選任については、その必要性を
十分に勘案し、大学の自主性・自律性を阻害すると批判されることのな
いよう、節度を持って対応すること。監事の任命に当たっては、大学の
意向を反映すること。