時事通信配信記事 2007年6月12日付

●教育再生、扱いを格上げ=「骨太方針」の原案


政府の経済財政諮問会議は12日、経済財政運営の基本指針となる「骨太の方針」の原案を審議し、了承した。原案は、4日の素案の時点で固まっていなかった経済連携協定(EPA)や教育再生などを追加。教育再生は独立した項目に扱いを格上げし、安倍政権の重要政策との位置付けを鮮明にした。

原案は大田弘子経済財政担当相が提出した。素案を基に与党や関係省庁と調整が進み、政府の対応を詳しく書くことにした年金記録漏れ問題を除くと完成版に近い。骨太は19日の諮問会議での決定を経て閣議決定される。

原案はEPAについて、米国、欧州連合(EU)との締結交渉を「将来の課題」と明記。年金問題では「国民の不安を解消するため、迅速かつ徹底的に取り組む」と強調した。教育再生では授業数の10%増、国立大学の9月入学枠設定などが盛り込まれた。

安倍内閣で初めて作る骨太は、7月の参院選に向けた政権公約となる。原案は経済成長力の強化や歳出・歳入一体改革、公務員制度改革、環境立国戦略など幅広い課題を網羅したため、総花的とも指摘されている。大田経財相は会議後の記者会見で「政権最初の骨太は包括的になる」と反論した。