時事通信配信記事 2007年6月7日付

●教員給与削減や学校統廃合求める=財政審建議


財政制度等審議会(財務相の諮問機関)は、2008年度予算編成に向けた考え方を盛り込んだ建議をまとめた。「今後とも安定的な経済・社会の発展を実現するため、財政健全化に向けた取り組みの歩みを緩めてはならない」とし、昨年の骨太方針で定められた歳出削減策の着実な推進を要請。同時に、高齢化に伴う社会保障給付の増大に対応するため、海外の事例を参考に50年程度の中長期的な財政推計を作る必要性も示した。また政府・与党内に地域間の税収偏在是正を求める意見が高まっているのを受け、偏在度の大きい法人事業税、法人住民税の見直しを求めたほか、地方公務員の給与適正化や後発医薬品の使用拡大なども掲げた。

安倍晋三首相が重点政策に掲げる教育分野に関しては、「効率化への取り組みや無駄を省く努力を行わず、増額のみが追求されれば、子どもたちは背負わされる借金が増えるだけ」と強調し、予算増額を訴える与党の動きをけん制。めりはりのある予算の実現に向け、公立小中学校教職員の給与削減や定数削減の継続、公立小中学校の統廃合といった改革策を並べた。

現在は学生数などで機械的に支出されている国立大学運営費交付金についても、「再編・集約化に資するよう、大学の成果や競争原理に基づく配分に見直す必要がある」とし、配分ルールの見直しを提言。ほぼ横並びとなっている国立大学の授業料見直しも促した。