『愛媛新聞』2007年6月4日付

補助金に競争原理導入案 愛媛大「容認できず」


国立大学法人への補助金である運営費交付金について、財務省が検討している配分方法への競争原理導入の問題が波紋を広げている。同省が先ごろまとめた科学研究費補助金の配分割合に基づく試算によると、愛媛大(小松正幸学長)の場合、交付金を5割近くも削減されることになる。小松学長は「人材育成や地域貢献など地方で大学が果たしている役割を無視した議論であり、到底受け入れられない」と危機感を募らせている。

愛媛大の2007年度運営費交付金は138億9700万円で、同大の収入全体の約44%を占める。交付金が試算通り5割削減されるような事態に陥ると、一挙に70億円近い収入がなくなり、大学運営は不可能になるという。

小松学長は「地方から大学がなくなると、中央と地方の格差はもっと広がる。高等教育に対する国全体の考え方が貧し過ぎる」と主張している。