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【緊急声明】政府内部の諸会議における国立大学予算に関する提言について

本学は、旧島根大学と旧島根医科大学が平成15年10月に統合し、新生島根大学として生まれ変わり、さらに、平成16年4月から国立大学法人島根大学となり、国直轄型から自主自律型の大学に衣替えしました。島根大学は、「地域に根ざし、地域社会から世界に発信する個性輝く大学」を目指しており、学生・教職員総勢約9,300名の協同のもと、「人とともに 地域とともに」をスローガンに掲げ、学生が育ち、学生とともに育つ大学づくりを推進しています。

これまでに約4万人の卒業生を輩出し、同窓各位は地元島根県を中心に全国で活躍しておられます。また、教育・研究・医療及び地域貢献を通じ、大学の役割と責任を果たすべく、「島根大学憲章」の下、全構成員が一丸となって努力しております。保護者の方々、同窓各位、さらには地域の皆様をはじめとして関係の方々には多大なご支援・ご協力をいただいており、厚くお礼申し上げます。

さて、現在、経済財政諮問会議をはじめ、教育再生会議、財政制度等審議会などの政府内部の諸会議において、大学・大学院改革を含めた活発な議論が展開されています。

これらの議論においては、国立大学法人運営費交付金の配分方法を巡って、市場原理や経済・財政的視点から大学の努力と成果による配分を求める意見があります。運営費交付金の配分方法が、この競争原理に基づく配分ルールに変更された場合、本学への同交付金は大幅に減額されることとなり、大学経営が成り立たなくなるような状況となってしまいます。国立大学の設置理念である「高等教育の機会均等」に照らし、また、地域の知の拠点として果たしてきた地方大学の役割の大きさを考えれば、昨今の財政当局を中心とした議論は、一方的で、偏っているといわざるを得ません。このような方向が推進されれば、地方大学がこれまで国及び地域に果たしてきた役割が全く評価されず、これまで以上に地域間格差が広がることにもなりかねません。仮に、競争原理のみに偏った配分が実施された場合、島根大学は存亡の危機に直面することを深く危惧しています。

今後、本学が地域にしっかりと根を下ろした活動を続け、地域の知の拠点としての役割と責任を十分に果たしていくことが出来ますよう、関係各位のさらなるご理解とご支援を賜りますようよろしくお願いいたします。

平成19年5月29日
国立大学法人島根大学長
本田 雄一