『東奥日報』2007年5月25日付

交付金再配分で弘大学長緊急声明


財務省が国立大学法人への運営費交付金を競争原理に基づいて再配分する試算を発表し、国立大学の運営に関して政府諸会議が提言を行ったのに対し、弘前大学の遠藤正彦学長は二十五日夜、「地方大学がこれまで国や地域に果たしてきた役割が評価されず、今まで以上に地域間格差が広がることにつながりかねない」とする独自の緊急声明を発表した。

運営費交付金については、財務省試算のほかにも、国の経済財政諮問会議などが大学再編を視野に入れて、配分ルールを見直すよう提言している。

これらに対し、遠藤学長は「わが国の高等教育機関のあるべき姿を考えるとき、人をはぐくむための百年の計に真に耐え得るものか疑いを持たざるを得ない」と強く主張。「運営費交付金は、大学の基盤的経費の一部をなすもの。文部科学省からは交付金の適正な配分を含め、高等教育への公財政支出の充実が提案されており、期待を込めて今後の動向に注目していく」としている。