『毎日新聞』2007年5月24日付

地方国立大:経済効果は400億〜700億円 文科省調査


地方国立大学が地元に及ぼす経済効果は400億〜700億円に上ることが文部科学省の調査で分かった。プロ野球・楽天イーグルス(97億円)よりも4〜7倍の波及効果があり、同省は「地方国立大は、教育だけでなく、経済的にも地域に貢献している」と指摘している。

調査は今年3月、地方国立大の役割を経済的な観点から実証するため、財団法人・日本経済研究所に委託して初めて実施した。

当該県への経済効果は▽山口大667億円(雇用創出数9007人)▽群馬大597億円(同9114人)▽三重大428億円(同6895人)▽弘前大406億円(同6774人)。鹿児島県での九州新幹線の部分開業(166億円)や九州地方のJ1チーム(24億円)よりも経済効果があるとしている。

国立大をめぐっては、収入の約45%を占める運営費交付金の配分ルール見直しが検討され、研究実績に基づき配分した場合、全国87大学のうち74大学で交付金が減少するという財務省試算がある。文科省や国立大は地方国立大の統廃合につながると危機感を募らせており、経済効果をアピールしたとみられる。【高山純二】