『北海道新聞』2007年5月23日付

大学交付金大幅減 「目先の発想キリギリス的」 財務省試算を文科相が批判


国立大の運営費交付金を競争原理によって配分すると、多くの大学で交付額が大幅に減るとした財務省の試算について、伊吹文明文部科学相は二十二日午前の閣議後会見で、「そういうのをキリギリス的発想という。目先の財政資金を減らしたい、すぐにカネもうけにつながるという発想で教育資金を配分するのは危険な考え」と強く批判した。

伊吹文科相はさらに、地方大学や教員養成系大学で減額の幅が大きくなっていることに対し、「地方の大学や教員養成の大学では応用技術の論文を書かないかもしれないが、有為な人材を生み出すために仕事をしている」と述べ、研究実績で配分するという方法に疑問を投げかけた。

財務省の試算では、研究実績を重視する配分方式に改めると、全国八十七大学のうち東大、京大、北大など十三校で交付額が増える一方、九割近い残りの七十四校で減額。道内でも北大を除く六校で大幅減額となる。