『読売新聞』2007年2月27日付

大学に競争的予算配分導入も…経済財政諮問会議で議論


政府の経済財政諮問会議は27日、成長力強化に向けた大学改革の議論を開始した。民間議員4人は、大学を技術革新の拠点と位置づけ、競争的な予算配分の導入などを求める改革案を提案した。

同会議は4月にまとめる生産性加速プログラムに具体的な改革計画を盛り込む方針だ。

提案は、改革の具体策として、〈1〉大学の規模や形態などに応じた国立大学運営費交付金を研究実績など成果に応じて配分〈2〉アジアの大学との単位互換の促進〈3〉科学技術予算のうち、研究内容の評価に基づく配分の割合を現行の2倍の約3割に引き上げ――などを盛り込んでいる。

伊吹文部科学相は「異論はないが、評価基準や質の確保など難しい問題がある」と述べた。文科省内には「運営費交付金は大学の基盤的経費になっており、競争性を高めれば、地域密着や教育の機会均等など国立大学の役割に影響する」との慎重論もある。