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『朝日新聞』2006年3月24日付

「非常勤公務員の再任拒否は無効」東京地裁が初判断


 任期付きで国立研究施設に採用され、13回の更新を繰り返した非常勤職員
(39)が14回目に一方的に再任を拒否されたのは不当だとして、国(現在
は民間法人)を相手に職員としての地位確認と未払い賃金支払いを求めた訴訟
で、東京地裁の山口均裁判官は24日、職員側の主張を全面的に認める判決を
言い渡した。

 労働問題に取り組む弁護士グループによると再任拒否された任期付き公務員
の地位確認が裁判で認められたのは初めて。原告代理人の弁護士は「非常勤公
務員の立場に理解を示した画期的な判決」と話した。

 原告は89年に国立情報学研究所(現情報・システム研究機構)に任期1年
で採用され、更新を繰り返した女性。04年の民営化を前に03年3月、再任
拒否された。

 民間では「次も更新できる」という期待がある場合の一方的解雇は「権利乱
用や信義則違反にあたる」とのルールが確立しているが、公務員では任用側の
裁量が民間より大きいとして認められてこなかった。

 判決は「更新を重ねるたびに増す愛着を職場に生かす重要さは同じ」と述べ、
特段の事情がある場合は更新を拒絶できないと判断した。