|
トップへ戻る | 以前の記事は、こちらの更新記事履歴 |
《『行革推進法案』関連情報》No.5=2006年1月24日 追加情報:各国立大学長の発言集 国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局 本事務局の緊急声明(1月13日)で、いくつかの大学長の発言を引用したが、さ らに長崎・大分・大阪教育の各大学長の発言を紹介する。大阪教育大学長の発 言には、文科省がまたもや、「新たな負荷をもたらさない」などといった説明 をしていることがうかがえる。 ○齋藤長崎大学長の年頭挨拶(2006年1月4日)より(抜粋) http://www.nagasaki-u.ac.jp/guidance/message2.html 本日の「仕事始め」においては、新年度予算のことを具体的に述べようと思っ ておりました。しかし、昨年12月24日の公務員人件費削減に関する閣議決定の 内容がこのほど通達されてまいり、その結果、わが長崎大学が中期目標・中期 計画に記載し、社会の皆様に約束してきた教育研究ならびに社会貢献の遂行に 重大な支障を来すことが必至と考えられますので、その要点を申し上げます。 閣議決定では、これからの5年間に公務員の総人件費の5%削減を行うこと、 その対象者は、1)公務員、2)独立行政法人(従前の国立研究所など)に勤務 する者、3)国立大学法人に勤務する者、と明記されています。 長崎大学には現在、2000人を超える常勤職員がおります。これを閣議決定の 通り5年間で5%の削減としますと、給与水準を現行通りとした場合、5年間で 100人以上の削減をしなければなりません。この数字はこれまでの第10次定員削 減をはるかに上回ります。 国立大学法人化は皆様ご承知の通り、1)毎年1%の運営費交付金の削減(毎 年1%の効率化係数の導入)はあるとしても、平成15年度までの人件費を含む教 育研究経費を原則保障すること、2)各国立大学は中期目標・中期計画を策定す ること、3)法人化6年後の評価によって、各大学への経費配分に傾斜をつける こと、としてスタートしました。 長崎大学は今後6年間の努力により、より充実した教育研究と社会貢献を遂行 できるハードとソフト双方の環境整備を可能ならしめるため、これまでの2年間 最善の努力をしてきました。それだけの実績を上げてきたと自負しております。 ところが、今回は国立大学法人すべてが対象となっています。つまりは十把 一絡げの人件費削減です。職員5%の削減では本学が平成16年度に策定した中期 目標・中期計画を達成できるとはとうてい考えられないのですが、しかし、こ れはやるほかはありません。さっそく、本学が先に設定した達成目標を、その 水準を下げることなく達成するにはどうすべきかを、各部局で、また全学的に 検討してまいります。よろしくご協力下さい。 ○羽野大分大学長の年頭の挨拶(2006年1月4日)より(抜粋) http://www.oita-u.ac.jp/gaiyo/message/18-nenntou.html さて、最近の国立大学法人をめぐる国の動きの中で気になるのは、高等教育 機関である大学法人のあり方が、とかく行財政改革の視点のみから議論されが ちな点です。国立大学法人に対する18年度予算案編成の議論において、運営交 付金のあり方について、厳しい意見が出されたと聞いています。この様な情勢 の中、私たちは高等教育重視政策のよりいっそうの強化を求めるとともに、国 立大学法人が学術の発展や社会の発展にいかに貢献しているかということを常 にアピールすることの重要性を、再認識せねばなりません。単に論文や講演で 研究成果を発表するにとどまらず、あらゆる機会をとらえて社会への情報発進 に努めていただきたいと思います。 18年度予算の話に移ります。昨年暮れも押しつまった26日に国大協の会合 が開かれ、予算の内示状況が明らかとなりました。国立大学法人運営交付金総 額は、対前年度比-0.8%の12,215億円でした。国の予算案作成で-3%の減が指 示された中で減少幅が抑えられたのは、効率化係数による自助努力や、教育研 究経費のアップが本省の努力で認められたことによるものです。これに授業料 や病院収入などの自己収入9,749億円を加えた22,056億円が来年度の事業費総額 です。これは17年度予算とほぼ同額ですので、18年度予算は、いわばギリギリ のところで踏みとどまったという状況です。しかし、19年度もこの様にできる という保障はありません。なお、施設整備費は18年度予算で896億円、17年度補 正予算で666億円に決まりました。また、最も心配された入学金の改訂は、幸い 見送られました。 予算の内示とともに、重要なことが決まりました。12月24日付で閣議決定さ れた「行政改革の重要方針」に示された総人件費改革の実行計画において、国 家公務員の定員削減目標と並んで国立大学法人における定員削減が記されてお り、今後5年間で5%以上の人件費削減の実施計画を中期計画に示すことが求 められています。また、運営交付金は、この取組を踏まえて抑制されることに なりました。中期目標・計画の変更は国立大学法人評価委員会の認可を受ける 必要がありますので、2月中にこの件に関するすべての作業を済ませなければ なりません。なお、人件費削減計画の達成状況は、毎年評価を受けることにな ります。 ○稲垣大阪教育大学長の年頭の挨拶(2006年1月4日)より(抜粋) http://www.osaka-kyoiku.ac.jp/president/message200601.html 暮れの押し詰まった12月26日、国大協の連絡会議が開かれました。その 中で国家公務員定数の5年間で5%削減に対応して、国立大学法人にあっては、 役員および常勤職員の総人件費を5年間で5%削減することを、中期計画に明 示的に盛り込むことが閣議決定されたことが伝えられました。1月半ばにも、 文部科学大臣より各大学に中期目標の修正が示され、それを受けて各大学では 2月半ばまでに中期計画の修正をし,国立大学評価委員会の審議を経て、3月 中に文部科学大臣が修正を認可するというスケジュールも示されました。いま のところ、新たな負荷をもたらさないとの説明でありますが、予断は許されな い状況と見なければならない、と考えます。 |