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『読売新聞』2006年1月7日付 九大六本松キャンパス移転前倒し、直接「伊都」へ統合検討 九州大は、伊都キャンパス(福岡市西区)への統合移転計画で、六本松キャ ンパス(中央区)を担保に民間金融機関から融資を受け、六本松の移転時期の 前倒しを検討していることを6日、明らかにした。 資金難のため、六本松は箱崎キャンパス(東区)にいったん暫定移転する予 定だったが、新たな検討案では、融資金で伊都の施設を建設して直接移転する。 引っ越し回数が減ることで、数十億円の費用や学生の負担軽減が図れるとメリッ トを強調している。この案について、文部科学省は「融資を受けた後の資金返 済計画がしっかりしていないので、現実的ではない」と厳しい見解を示してい る。 九大によると、融資金の返済には、土地売却費と国に新たに要請する交付金 を充てることを想定しているという。 だが、国立大が保有財産を担保に融資を受けるには、返済計画をしっかり立 てた上、文科省の認可が必要。同省・国立大学法人支援課は「国からの交付金 をあてにした返済計画では、認められない」としている。 また、国立大学の保有財産の売却益は、通常は4分の1を大学、4分の3を、 国立大学財務・経営センター(東京)が全国の国立大学の施設整備費として徴 収する。同課は「九大移転は国が多額の費用を投入しているので、最悪の場合 は六本松の売却益はすべてセンターのものになる可能性もある。これも担保と は想定しにくい」と話している。 九大は、箱崎、六本松の両キャンパスを伊都に2020年までに統合・移転 する。昨年10月、箱崎の工学部の半分が移転開校し、その後、工学部の残り と理学部、農学部、文系各学部、六本松が順次移転する予定。 新キャンパスの施設整備・建設費は九大側が期待するほど国から交付されず、 六本松は、08年度までに箱崎キャンパスに移し、六本松の土地を売却して資 金を得てから、20年までに伊都に移る計画だった。 |