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新首都圏ネットワーク

『朝日新聞』2005年9月26日付

ネットで教育修士号 岐阜大、現職教員対象に全国初


 岐阜大学教育学部は、来年4月から、インターネットを使って自宅や職場で
講義を受ける「インターネット型大学院」を開設する。インターネット大学院
は、02年に信州大学工学部が全国に先駆けて開設しているが、教育学部では
全国で初めてだという。今月20日から願書の受け付けを始め、来月15日に
入学試験が行われる。

 岐阜大のインターネット大学院は、小学校から高校までの教員が主な対象だ。
初年度は「カリキュラム開発専攻」の1専攻が開講され、定員は7人。2年間
で30単位を取得し、修士論文を提出する。07年度には、「学校教育専攻」
と「教科教育専攻」も開講される予定だ。

 初年度の教員は11人。講義は毎週水曜日の午後6時から2コマ開かれ、学
生は自宅や職場のインターネットを通して受講する。週末や長期休暇期間中に
は集中講義も開かれる。

 ゼミもネットを通じて行われ、仕事などでどうしても出席できない場合は、
録画授業で対応することも可能だ。学内のスタジオなどで行われる講義の撮影
や、テキストのデジタル化などは、学生のボランティアスタッフが担当する。

 同大では、99年に大学と県内外5カ所のサテライト教室をテレビ会議シス
テムで結んだ「夜間遠隔大学院」を立ち上げた。今回始める取り組みは、イン
ターネットを通じて行うため、わざわざサテライト教室に足を運ぶ必要がなく
なる。マンツーマンで教員と院生が質疑応答できるほか、院生同士のつながり
が増すメリットもあるという。

 この試みは、文部科学省の04年度の「現代的教育ニーズ取組支援プログラ
ム」に採択された。同大は今年4月に「情報メディア支援室」を立ち上げ、準
備を進めてきた。

 松川礼子・副学部長は「学校現場で働く多くの人に、修士号を取得する機会
を設けることができた。双方向性の高いハイレベルな講義を提供したい」と話
している。